バースデー・ミッション - 17/24

17

さて、後は生クリームを準備……、って。
「あああ!」
メビウス1は思わず叫んだ。あの有名な絵画、ムンクの『叫び』のごとく。
「メビウス1、どうした!?」
スカイアイがキッチンに駆けつける。
「どうしようスカイアイ、生クリーム買い忘れてた……!」
生クリームがないとケーキは完成しない。生クリームがないケーキなんてケーキじゃない。
急いで買いに行かなくては。
でもスーパーは大回りしなくちゃならないし、そんなことをしている時間はない。
どうしたらいいんだ!?
メビウス1の頭は真っ白になった。
ここまで頑張ってきたのに、完成間近なのに、失敗するのだろうか。今までの頑張りが走馬灯のように頭に浮かび、そしてそれらが脆く崩れ去ってゆく。
「メビウス1……」
スカイアイが真っ白に燃えつきそうなメビウス1の肩をトントンと叩いた。
「冷蔵庫の中、よく見てごらん」
「……?」
スカイアイに促されてメビウス1は意味もわからず冷蔵庫を開けた。
「あ、あれ……?」
メビウス1は目を疑った。
冷蔵庫の中に、白い小さな紙パック。そこに書かれた「生クリーム」の文字。
どういうことだろう。確かに買い忘れていたはずなのに、生クリームのパックが冷蔵庫に鎮座しているではないか。
生クリームは料理に使う場合もあるが、メビウス1のレパートリーの中ではそんなに使用頻度は高くない。だから買い置きしているはずはないのだ。
なぜそんな生クリームが冷蔵庫にあるのか疑問だったが、それよりも、これでケーキを完成させることができる。そのことが嬉しくて、メビウス1は心から安堵した。
「よかった……」
そうこうしているうちにスポンジが焼き上がっていた。焼けて膨らんだスポンジをオーブンから取り出してあら熱を取る。
生クリームをツンと角が立つくらい泡立てたら、冷ましたスポンジの間にカットしたイチゴと生クリームを挟む。そしてスポンジ全体に生クリームを塗りつけて真っ白に。
絞り袋で生クリームを絞って上に飾り付ける。
最後に、形が綺麗なイチゴをたくさん飾り付けたら――。

完成!
これまで貯めた美味しさポイントで出来上がったケーキの美味しさが決まります。

美味しさが+15

美味しさが+14~+7の間

美味しさが+5以下