バースデー・ミッション - 18/24

18

やっぱり放っておけない。
そう考えたメビウス1は、刺激しないようにゆっくりと鷹に近づいた。
鷹は大人しい。暴れたり威嚇する様子もない。
そっと手を伸ばして体を撫でた。羽がふかふかしている。
近くでよく体を観察すると、なにやら長い紐が足に巻き付いている。これのせいでうずくまっていたようだ。メビウス1はこんがらがったそれを、指やナイフで外そうとした。紐が締まったのか鷹が羽をバサバサとさせて暴れ出す。
「いたっ……。ちょっと待ってくれ。暴れないで」
くちばしで噛んだり爪で引っ掻いたりはされなかった。さすがに猛禽類にそんなことをされたら肉が抉れて血まみれになってしまう。鷹は、メビウス1が助けようとしているのを理解しているみたいだった。
ナイフで紐を切り、足が自由になる。
鷹は羽ばたいて空へ飛んで行った。
「ふぅ……よかった」
額の汗をぬぐい、ひと仕事終えた気分でメビウス1は先を急いだ。

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