バースデー・ミッション - 22/24

22

「よし、できた!」
メビウス1はケーキの完成に、思わず声が出てしまった。
だってとても苦労して、いろいろなことがあってようやく完成したケーキだったから。
でも、これはちゃんと美味しくできているのだろうか。
はじめてケーキなんて作ったから、正直とても不安だった。
「スカイアイ、お待たせ」
スカイアイの待つテーブルに、ケーキを乗せた。
「すごい! 美味しそうだね」
スカイアイは期待を込めた目でケーキを見た。確かに見た目はそんなに悪くはないんだ。
そしてケーキにロウソクを数本立てて、部屋の灯りを消した。
薄暗い中、ロウソクの炎がゆらゆら揺れる。
お互いに向かい合って座っているから、炎の向こうにスカイアイの顔がほのかに照らされて、なんだかロマンチックな雰囲気になった。
「スカイアイ、ええっと……。誕生日、おめでとう」
見つめ合うのが少し恥ずかしくて、うつむきがちに告げた。
「メビウス1、ありがとう……愛してる」
そう言ってスカイアイは一息にロウソクを吹き消した。
辺りが真っ暗になるが、メビウス1はわざとゆっくり席を立って部屋の電気をつけに行った。顔が真っ赤になっている自覚があったから。
スカイアイの分と、自分のケーキを切り分けて皿に盛る。
スカイアイが一口、ケーキを口に運ぶ。それをドキドキしながらじっと見つめた。
「ふふ、そんなに見つめられたら食べにくいな」
「ご、ごめん」
「いいや。……うん、ちゃんと美味しいよ」
スカイアイがにっこり笑ってくれたからメビウス1は心から安堵した。たとえお世辞であっても嬉しかった。スカイアイの笑顔で、全ての苦労が報われた気がするから。
自分でも一口食べてみる。
確かに、そんなに悪くない。はじめて作ったにしては上出来かもしれない。でも、もしかしたらもっと美味しく出来たかも……なんて、欲張りなことを考えてしまった。
もし、次の機会があれば、今度はもっと完璧なケーキを作ってみせる……!
そんな決意をする、メビウス1なのであった。

 

Mission completed.

(ノーマルエンド C)

最初から始める