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メビウス1は茨を切ったナイフを手に持って構えた。
だがしかし、メビウス1の地上での戦闘能力は一兵卒にも劣った!
オオカミが大きな口を開け、飛びかかってきた。
メビウス1は反応できず、目をぎゅっと閉じた。
もうだめだ、やられる――!
そう覚悟した時、森中に響き渡る大きな破裂音がした。オオカミはギャンと鳴いて逃げ去っていった。
「メビウス1、大丈夫か!?」
背後の藪からスカイアイが銃を片手に現れた。先ほどの破裂音は銃声で、弾はオオカミの体を掠めたようだった。
「スカイアイ……? どうしてここに?」
「すまん、心配で後をつけてたんだ。……ああ、こんなに傷だらけになって」
スカイアイの温かい手が、茨のトゲに刺された手を包んだ。
「もういい。こんな危険なことはやめて帰ろう、メビウス1」
「でも、ケーキは……」
「いいんだ、そんなのは。君の方が大切だ」
そう言ってスカイアイはメビウス1の傷だらけの手を引いて森を後にした。
手作りのケーキは用意できなかった。
帰り道、ケーキ屋さんでケーキを買って二人で仲良く食べた。
これはこれで美味しかったし、スカイアイと甘いひとときも過ごせたからそれなりの記念日にはなったのだけれど、どこか釈然としないメビウス1なのだった。
Mission failed.
(ノーマルエンド B)

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