小ネタSS

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最近、ABEMAプライムに課金したので、せっかくだから見たかったアニメとか見てました。Dr.STONEと、NieR:Automataと、進撃の巨人の最後の方など…。NieR:Automataは二期があるみたいで楽しみですね。

なんか、ちょっと思いついた話があって更新するほどのネタじゃない気がするので、ここに載せときますね。オペレーション・カティーナで戻ってきたばかりのメビウス1に司令官が「なんか望みはある?」って聞くわりとどうでもいい話です。

「よく戻って来てくれたな、メビウス1」
そう言って、メビウス1ににこやかな笑みを浮かべる中年の男。彼は我々の上司、作戦の責任者となる司令官だ。
本作戦「オペレーション・カティーナ」を遂行するにあたって軍を辞めていたメビウス1を呼び戻したのはこの男だった。
スカイアイはメビウス1の半歩後ろから二人の再会を眺めていた。

司令官はメビウス1が戻ってきたことがよほど嬉しいらしい。まずは遠方から旅してきたことをねぎらい、本作戦を了承してくれたメビウス1に「何か望みはないか」と尋ねた。
「え……望み、ですか?」
「そうだ。何でもいいんだぞ。例えば、給料を上乗せしろとか、休みをくれとか」
「え、えっと……」
メビウス1は口ごもった。急に望みを言えと言われても思い浮かばないらしい。万事、控えめな彼らしくてスカイアイはメビウス1のそんなところが好きだと思ったが、この際とんでもないくらいふっかけてやればいいのに、とも思う。彼の貢献度を考えればそれくらいしてもバチは当たらないだろう。今回の作戦もまた彼の力頼りの無茶なものだった。司令官もそれがわかっているから、こうしてメビウス1の望みを聞いたりしているのだ。
「え、えっと……じゃあ……」
メビウス1がこちらをチラリと振り返る。
「俺の管制にはスカイアイをつけてもらえますか」
「ああ、もちろんそうするつもりだったよ。君も気心の知れた者の方がやりやすいだろうしな」
司令官は即座に了承した。スカイアイもこちらを見上げたメビウス1に微笑みを返して頷く。――当たり前だ。たとえ司令官が他の誰かをメビウス1につけたとしても俺が抗議していただろう。戦場で彼を支援するのは自分の役目だ。誰にも譲る気はない。スカイアイは心中で独り言つ。
「他には何かないのかね?」
司令官は更にメビウス1に問う。にこにこと邪気のない顔でメビウス1の望みを引き出そうとする姿はまるで、久しぶりに田舎に帰ってきた孫を甘やかす好々爺のようだ。
「え? ……えっと、その……あ、あの、ラプターを配備してもらえると……」
「もちろん、もちろんだとも。大体、以前に君の使っていたラプターはそのまま保管してあるしな。少し整備すればすぐに飛ばせるよ」
「え……っ、そうなんですか?」
メビウス1が一年前に使っていたラプターは特別だった。彼の使いやすいように調整され、整備された彼専用の機体だ。通常、戦闘機は隊のパイロット皆で使いまわすもので“専用機”というのはあり得ないのだがメビウス1は特別だった。
「君がいつ戻ってもいいように……いつでも飛べるように調整せずおいていたんだ」
司令官がそう言うと、メビウス1は感動したらしい。「司令……」と呟いて潤んだ瞳を司令官に向けた。
スカイアイはメビウス1のように素直に感動する気にはとてもなれなかったが。
「他には何かないのかね、何でも言ってごらん」
ほらほら、と更に司令官は催促する。メビウス1は困ったように辺りを見回した。
スカイアイはため息を吐いてその様子を見守った。